服飾に関する教育・研究の一助にと開設された当館は、古今東西の服飾資料を中心に関連の資料も含めて収集しています。主な所蔵品は次の通りです。
日本関係のコレクションとして、まず三井家伝来の着物をあげることができます。三井家は江戸時代には豪商、近代には財閥として知られ、その着物は優品として高い評価を受けています。近代の宮廷服もまとまった数を見せ、天皇、皇后をはじめ、皇族が着用した装束や洋服が多数含まれています。また、彦根藩主・井伊家旧蔵の能装束はさまざまな演目に対応できる多くの種類が揃い、この他に武家服飾、庶民の服飾、袋物や髪飾り、正倉院裂、名物裂などがあります。
西洋関係では、18世紀から20世紀にかけての各時代のドレスを所蔵し、ロココ、エンパイア、ロマンティック、クリノリン、バスル、アール・ヌーヴォー、アール・デコなどスタイルの変遷をみることができます。また、オートクチュールのデザイナーの作品として、その創始者であるウォルト、シャネル、ディオール、バルマン、サン・ローラン、クレージュなどのドレスがあり、付属品の帽子、靴、バッグ、パラソル、扇なども多数所蔵しています。他にチェコやルーマニアなど東欧の民族衣装も所蔵しています。
アジア・その他の地域では、それぞれの地域の民族衣装を中心に所蔵し、中でも中国清朝の宮廷衣装、パレスチナ地域の民族衣装、インドネシアやインドの染織品などはまとまったコレクションとなっています。また近年アフリカや中南米、中央アジアなどの民族衣装や染織品の収集にも力を入れています。裂類ではエジプトのミイラの包み布やコプト裂、インカ裂などが、装身具では古代新羅の金製装身具、中近東やインドなどの銀製装身具などがあげられます。