例年どおり春の企画として、ヨーロッパのドレスの歴史的変遷を紹介しました。今回は対象年代を1970年代まで広げ、ミニスカート登場以降の現代ファッションについても取り上げました。また特集は、女性のライフスタイルと共に、ドレスのスタイルが近代化された1920年代を取り上げました。スカートが短くなり、機能的になっていく様や、服飾材料の多様化、流行したオリエンタリスムなどをテーマに展開しました。この企画は学内のみならず、家政系の他大学や高校にも毎年の企画として知られおり、団体の見学や教科の課題などでの利用も多くなっています。

 更紗とは、主に木綿布に手描きや型を使って文様を表したものを指し、世界各地で見られます。比較的手軽にできる素朴なものから、複雑な工程を経て作られる精緻なものまであり、その用途も衣服から室内装飾布まで多様です。  展示では、まず更紗の製作工程や道具類を紹介し、次いで和更紗、インド更紗、ジャワ更紗、ヨーロッパ更紗など、世界20カ国あまりのさまざまな更紗約120点を展示しました。 世界各地の更紗を一堂に紹介することは、さまざまな地域の服飾資料を所蔵する服飾博物館ならではの企画と言えます。これにより、地域による特徴や違い、また交易による影響などが浮かび上がりました。  現在、市場にあふれるプリント製のドレスやショールの源流ともいえる更紗を、より身近に感じていただけたのではないでしょうか。

 型染は、紙や木などの型を用いて文様を表現する染色技法の一つです。日本では古くから行われ、小紋(こもん)・中形(ちゅうがた)・型友禅(かたゆうぜん)・摺染(すりぞめ)・摺箔(すりはく)・板締(いたじめ)・燻革(ふすべがわ)などさまざまな技法の型染が見られます。本展は、きもの・紅型・庶民の服飾・公家の服飾・武家の服飾・能装束から構成し、それぞれの服飾にみられる型染の特徴を紹介しました。日本の型染の網羅的な展示はこれまでにほとんど行われず、本展は日本の型染の多様性を紹介する機会となりました。また、来館者からは手仕事の見事さを改めて認識したという声も寄せられました。

 アンデス地域は近年、カラル遺跡やシカンをはじめ未盗掘墳墓の発掘などが相次ぎ、文明発展の歴史を塗り替えるのではと世界的な注目を集めています。本展では、紀元前1000年にさかのぼるチャビン文化期から、16世紀のインカ文化期まで、2500年にわたるアンデスの染織を紹介しました。複雑な織物をはじめ、染物や刺繍によって独特の文様が表された布は、乾燥した気候に助けられ鮮やかな色が残っています。観覧者からは「1000年、2000年を経たものとは思えない」との感嘆の声が多くよせられました。